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PSO2二次創作小説「時の輪」(4)

この小説は、ファンタシースターオンライン2(PSO2)のストーリーを元にした二次創作小説です。
オリジナル要素も含まれますのでご注意ください。
ゲーム内「マターボード」をある程度進められている方(おおよそ3枚目をクリアした後くらい)でなければ、ネタバレ状態になりうることをご承知下さい。

初めての方はまず

PSO2二次創作小説「Black Dream」~黒い夢~

をお読みになる事をお勧めします。

PSO2二次創作小説「時の輪」

「プロローグ」

(1) (2) (3)


↓PSO2二次創作小説「時の輪」(4)
「!」

怒涛の「殺気」が背後から押し寄せる。
その気配に、リュードは覚えがあった。
考えるより早く、身体が動く。
雪煙を巻き上げて彼が飛び退いた直後、リュードの居た場所に落ちてきた「者」。

「・・・仮面!!!」

エリの叫びと共に、大地に撃ち下ろされた大剣からどす黒いフォトンが飛び散った。
仮面の意識は、飛び退いたリュードの手にある「それ」に集中している。

『それを・・・離せ』
「何・・・?!」

仮面が探していたのは「これ」か?
リュードが一瞬意識を手の中の「武器の破片」に移したその隙に、仮面が一気に間合いを詰めた。
その動きは尋常でなく疾い。
その剣先を、唐突に割り込んで弾いた人物が居る。

「うぉっと!」

派手にフォトンの火花が散り、仮面は剣諸共弾かれ、数歩後ずさった。
エリが驚いて、割り込んだ男へと視線を投げる。

「・・・ゼノ!」
「ようリュードの旦那、危ないところだったな」

エコーがエリに駆け寄ってくる。

「大丈夫?エリアルド」
「エコー、ゼノ、どうして?」

仮面に正対するゼノの目が鋭く「敵」を見据える。
気づくと、リュードとエリ、ゼノが「仮面」を取り囲む位置に居た。
「敵」を逃さない為の布陣。

「こっちが聞きたいぜ、妙に気になって追いかけて来たんだが・・・こりゃどうなってんだ?」
「その人、アークスなの?」
「そーいうのを調べるのはお前の役目だろ?」

視線を外さないまま言い放つゼノに答えるように、慌ててエコーがホログラムを操作する。

「あ・・ええと、全件検索完了・・・って・・・該当するデータ・・・なし?!どういう事?!」

・・・だろうな。
驚愕するエコーをよそに、リュードは僅かに頷いた。
その手にある大剣は、正規アークスに支給されるものではない。
元より、その禍々しいフォトンを隠そうともしない人物が真っ当なアークスになどなれるはずもなく。
そもそも「人」であるかすら、怪しい。
ゼノがジリジリと間合いを詰め、仮面を威圧するように声を発する。

「お前、どこのどいつだ?所属を言え」

その「仮面」はただひたすら、リュードへ殺意を向けている。

「無視かよ。いけ好かん奴だな・・・」

ゼノがその顔に似合わない「殺意」を表面化させると。
ようやく「仮面」がゼノへと意識を移した。

『・・・邪魔をするなら、殺す』
「は、引く気はないってか?なら力ずくでご退場願うしかないか!」
「ゼノ!!!」

エコーの静止も聞かず、ゼノは一直線に仮面へと走る。
仮面の撹乱しようとする動きをものともせず、ゼノは「ヴィタ・ソード」を次々に仮面へ。
まるで花火のように鬩ぎ合うフォトンが飛び散る。
眉間にシワを寄せ、エコーが不機嫌に呟いた。

「また勝手に・・・もう、無茶なんだから!」

傍らでその戦闘を見据えるリュードが眉を顰める。
何とか、加勢したい。
しかしこの手にある「武器」を投げ打つことは出来ない。
安々と扱って良いものでない事は「仮面」の態度から伺い知れる。

刹那。

その壊れているはずの「武器」が光を放ち始めた。
戦いのフォトンに、呼応するように。
驚いてリュードはもう一度、「それ」を見る。

生きている・・・のか?

その輝きに目を奪われたのは、リュードだけではなかった。
仮面もまたその光に一瞬、集中力を欠いた。
それを見逃すゼノではない。

「隙あり!!」

ゼノの一刀が、仮面の動線を断ち切った。
大きく飛び退いた「敵」の「仮面の一部」が剥がれ落ちる。
刃こぼれした己の大剣にゼノが目を丸くした。

「業物がイカレちまったぞ?どんだけだよ」
『チッ・・・!!』
「でもまあ・・・おあいこ、ってところか?」

更に鋭い闘志を仮面にぶつけるゼノ。
仮面は明らかに動揺していた。
リュードを一瞥し、その感情が爆発する。

『おのれ・・・!!!』



「・・・待って!」
「エリ?」
「何か・・・来る!!」

一番初めにそれに気付いたのは、辺りに人一倍気を配っていたエリ。
振り仰いだ雪の丘の上。
釣られるように、全員が同じ方角を見る。
仮面すら視線を奪われたその場所に、それは居た。

「・・・何だありゃ!?」

ゼノが裏返った声を上げた。
二匹の、獣。
その内の一匹が地響きを立てて舞い降りてきた。
その「大きさ」が尋常ではない。
視界を埋め尽くす青白い毛並みと、まるで巨大な鎌のように突き立つ何本もの爪が氷の大地へ穿たれている。
明らかな「敵意」を持って「人間達」を威嚇する。
その時に、エコーがようやく気付いた。

「あいつが居ない!」
「くっそ、聞きたい事が山ほどあったのに!」

「仮面」が騒ぎに乗じて、姿を消していた。
エリがクシャネビュラを抜いて、叫ぶ。

「ロジオ君!これは何なの?!」
『分かりません、が、その場所で何名ものアークスが大怪我をしているというデータが出ています!ひょっとするとその獣が原因なのでは・・・?』

それは唐突に、「氷の息」を吐き出した。
咄嗟に飛び退いた四人ではあったが、今まで居た場所に氷の山が積み上げられる。
こんなものを食らったら、ひとたまりもない。
そしてその獣の「視線」の先に、リュードが居た。
今「戦えない人間」を瞬時に見抜いたのだ。

「・・・旦那!!」

ゼノの叫びと同時に、氷の獣が突進してくる。
巨体に似合わぬ、驚くほどの速度。
片手がふさがっている状態では、飛び退くのが精一杯。

「・・・く!!」
「リュード!」

間に割りこむように、エリが飛んだ。
巨大な獣の爪を、そのワイヤードランスで弾く。

「エリアルド!!」

ゼノとエコーが加勢しようと走ろうとして、その眼前にもう一匹の巨大な獣が立ちはだかる。
凶悪なほど大きな鬣を揺らし、彼らの行く手を塞いだ。

「畜生、行かせないってか!!」
「ゼノ!逃げなきゃ!ゼノの剣は今使えないのよ!!」
「くっそぉ!」

どう見ても、勝ち目がない。
目の前で必死に防戦するエリに、リュードが叫んだ。

「駄目だ!戦うな!逃げろ!」
「馬鹿言わないで!そんな事出来るわけ無いでしょ!!!リュードこそ早く逃げて!!」

叫んだ瞬間、エリは猛烈な勢いでその「爪」に弾き飛ばされた。

「きゃ・・・・・!!!!」

吹き飛ばされた先は、雪庇。(*1)
ようやく顔を上げたエリの目の前の雪に、一気に「ひび」が走る。
エリは自分の置かれた状況にようやく気付いた。

・・・滑落(おち)る!

しかし、吹き飛ばされたダメージは予想以上に大きかった。
身体が動かない。
スローモーに、世界が動く。
衝撃で滑落を始めた雪庇。

「エリ―――――――!!!!」

絶叫が、聞こえる。
落ちながら、次第に雪崩のように崩落が大きくなっていく雪に巻き込まれていく。
真っ白な視界。
意識が落ちる寸前に、誰かが自分の腕を掴んだ事だけを知覚していた。



*1:雪庇

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