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PSO2二次創作小説「時の輪」(18)

メンテ時は捗るね!



この小説は、ファンタシースターオンライン2(PSO2)のストーリーを元にした二次創作小説です。
オリジナル要素も含まれますのでご注意ください。
ゲーム内「マターボード」を進められている方(おおよそ7枚目クリアしたくらい)でなければ、ネタバレ状態になりうることをご承知下さい。

初めての方はまず

PSO2二次創作小説「Black Dream」~黒い夢~

をお読みになる事をお勧めします。

PSO2二次創作小説「時の輪」

「プロローグ」

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)

(11) (12) (13) (14) (15) (16) (17)


↓PSO2二次創作小説「時の輪」(18)
恐らくは、普段から彼らが移動手段として使っているだろう「カタパルト」を使い。
二人は上層部を目指した。

「観光で来てるなら、楽しいアトラクションなのにね」

なんとなくエリがそう言ってしまうほど、そのカタパルト移動は素晴らしく気持ちのよいものだった。
風を切り、上へ、上へ。
遥か、上へ。

途中、龍族達がダーカーと戦っている場に幾度と無く遭遇した。
その度にリュードとエリはダーカーを蹴散らし、消滅させていく。
これ以上、侵食された龍族を見たくなかったからだ。

『そなた達に、感謝を』

口々にそう言い、彼らは「道」を示してくれた。
アキのような科学者と、こうして理解してくれる龍族が居る限り。
時間はかかるけれど、いつか必ず解りあえる。
エリはふと、そんな事を思った。

そのカタパルトは、一際長い距離を飛ばされた。
何とか着地し、あたりを見回して。

「これは…凄いな」
「湖…山があるわ…!綺麗!!」

そこは、浮遊大陸の中でも最大規模の大きさの「島」だった。
眼前に広がる巨大な湖と、それを取り囲む山脈。
背後さえ見なければ、到底「空の上」とは思えない光景。
彼らの降り立ったその場所は、奇妙な「正方形の岩」が一面に敷き詰められた場所だった。
明らかに人工的なもの。
清浄な空気がその場を満たしていた。

「聖域、とでも言うべきなのかな」
「でも…誰かが待ってるって話だったでしょ?誰も居ないわ…?」

数歩、足を進めた時。

『アークスの子らよ…よく来てくれた』

優しい、心を癒す母のような「声」。
見渡す限り何も見えないその光景の中で、直接頭に響く『念話』。
辺り一面に、柔らかい光が満ちた。

「龍族か…?」

見上げるようにリュードが呟く。

『私は、ロのカミツ。故あって姿を見せられず、声での応対となる無礼を詫びる』
「ロの…カミツ…龍族を統べる方…?リュードを呼んだのも、あなた?」
『…まさしく』

ほっと、エリが安堵の息をついた。
ようやく、たどり着いた。
光の中心が、一際眩しく輝く。

『旧態依然としていた我ら龍族に、一つの楔が打ち込まれた。そのきっかけは間違いなく、貴方の内にある…リュードよ、感謝する』
「…俺は、何もしていないよ」

僅かに自嘲するように、リュードは笑みを浮かべた。
そう。自分は何もしていない。
龍族を救っているのはアキのような人間だ。
自分はただ只管、戦い続けているだけ。
そんなリュードに、エリは思わず苦笑した。
そして、「空」を見つめる。

「…龍族も私達も、お互いにもっと歩み寄らないとならないのは確かだわ。でも、ただ『感謝』を伝えるためだけに彼を呼んだのではないのでしょう?」
『無論』

僅かに、声が変化した。

『貴方に渡したいものが在る…だが、その前に確かめさせて欲しい』
「確かめる?」
『貴方が、それに足る力を持つのかを…』

声に呼応するように、空の彼方が光った。

「…?!」

轟音と共に、何かが一直線に飛んでくる。
恐ろしい速度で、それは「地面」に突き刺さった。
あまりの巨大さに、エリは後ずさる。

「!!!水晶龍!本当に居たのね…!」

全身を水晶の鎧で包んだ巨大な「飛龍」が、突き刺さった鼻先をようやくもたげ。
二人を威嚇するように吠えた。
リュードの全身に、一瞬震えが走る。
武者震いというやつか。

「力試し、か。いいだろう。それに見合う報酬も期待できそうだ」
『無礼者!!』

つんざくようなその声は。

「え!?子供…?!こんなに大きいのに…!」

エリの言葉に、一気に水晶龍は不満を吐き出した。

『愚弄するか!カミツ様の声を賜る、それこそが誉れ!人間ごときが…!』
『よい、コのレラ。此れにと叫びしその忠義、この戦いを持って示してみせよ』

カミツの言葉が、レラと呼ばれた水晶龍の子を奮い立たせる。

『…御意…!!!』

ビリビリと闘気が、その場を満たす。
リュードは臆する事無く、迷わずタルナーダを抜いた。
その顔には、笑みさえ浮かんでいる。
この巨大な龍を相手に、どう戦うか。

楽しみで、仕方がなかった。



リュードは、いきなりエリを真横に突き飛ばした。

「きゃ…!?」

降り注ぐ光の刃。
今まで二人が居た場所に幾つも突き刺さる。

「リュード!!!」
「あくまで標的は俺だ!エリは背後を!!」
「…分かったわ!!」

巨体に似合わぬ素早さで、常にリュードの「正面」を取ってくる。
潔い程の「真っ向勝負」。
その「突進」は、予備動作が殆ど無い状態からの加速。

「っとぉ!!!」

幾度と無く繰り返される突進を大剣でいなし、紙一重で避け、目の前の「巨大な翼」へ渾身の力を込めて刃を立てる。
しかし、その分厚い水晶の装甲は簡単には剥がれない。
直後、コ・レラは空高く舞い上がり。
地面をえぐるように、リュード目掛けて「飛んで」来た。

「ぐ…うぉあッ!?!」

まるで巨大な鉄の板で殴り飛ばされでもした様に感じる。
あまりの速さに、避けることはおろかガードすら弾かれ、彼の身体は木の葉のように吹き飛ばされ。
ゴロゴロと地面を転がって、倒れ伏した。

「?!」
「…来るな!!!」

駆け寄ろうとするエリを、リュードは血を吐きながら静止する。
今来たら、共倒れだ。
立ち上がり、血反吐を吐き捨てる。

『ふん…あれを受けて立つとは、やるな』
「まだまだ…!」

闘気。
水晶龍から見れば小さな小さなその生き物は、まるで「紅蓮の炎」のような闘気を吹き出していた。
狂気と見紛う笑みを浮かべ、己の身体より遥かに大きな剣を構え。
巨大な自分に向かってくる。

『遅い!!!』

なぎ払うように、口から『閃光』を発する。
が。
コ・レラが気付いた時、リュードは居なかった。

『何処に…!!』
「ここだ!!!」

近すぎて、見えなかったのだ。
真下からの渾身のライジングエッジ。
地面を蹴り、巨大な剣で舞うように斬り上げる。
鼻先の「水晶の鎧」が砕け散った。

『ぐぁああアァアアアア!!!!!』

鋭く尖った鼻先を翼で庇うように、呻いている。
その怒りの目が、リュードを今一度捉えた。

『オノレ…おのれぇえええええええ!!!!!!』
「?!」

翼を広げ。
全身に「気」が漲る。
なにか、仕掛けてくる!?
直後、怒りのままの「光の雨」が降り注いだ。

「がッ…?!?!」

直上からの光の矢が全身を貫き、リュードは再び薙ぎ倒された。
自力でディメイトを使い、何とか立ち上がろうとする。
が、その身が自由にならない事に気付いた。

「目が…!?」

視界が奪われた。
視覚だけではない、平衡感覚さえおかしい。
地面が何処にあるか、自分が立っているのか倒れているのかすらわからない。
しかし辛うじて、剣は手元にある。
自分に近づいてくる「気配」も解る。
足下も覚束ないが、何とか立ち上がった。

『まだ、立つのか!!』
「…当然!!!」

気配だけでこちらを「見る」人間に、驚愕しながらも。
水晶龍はゆっくりと、混乱状態にあるリュードに歩み寄った。

『面白い、ここまで我の攻撃に耐えた人間は初めてだ。だが』

全身を「楔」のように身構え。
水晶龍は、リュードを見据える。

『終わりに、しよう!』

その身を突進させようとした瞬間。
その『尾』の水晶が砕け散った。

『…な…?!??!』
「私を忘れないで欲しいわ」

そこに居たのは、ラムダクシャネビュラを構えたエリ。
二つの自在に動く槍のような剣は、水晶龍の尾を未だ捉えて離さない。
その切っ先はフォトンによって「帯電」し、コ・レラの身体の自由を奪っている。
身動きが取れなくなった飛龍は、そのままどうと地に伏した。

エリは即座に、体調を整える「ソルアトマイザー」を散布。
ようやくリュードの視界が戻った。
それを確認し、トリメイトをリュードに投げる。

「使って!」
「助かる…!」

それを一気に飲み干して、今一度水晶龍に正対する。
その手に「巨大なフォトンの刃」を携えて。

「決める…………ッ!!」

起き上がる隙を与えてはならない。
地を蹴り、水晶龍の目の前でリュードはオーバーエンドを放った。
それは尽く飛龍の両羽の水晶を砕き、そのままその巨体を真っ直ぐに叩き潰す。

『……!!!!!!!!!!!!!!!』

悲鳴すら、上がらなかった。
粉々に砕けた水晶の鎧。
コ・レラは地に叩きつけられたまま、動かなくなった。
肩で息をし、タルナーダを地に刺して支えにしなければ立っていられない程の消耗だったが。

勝った、のか。

『…そこまで』

柔らかい声が、全てを止める。
と同時に、エリが駆け寄った。

「もう…無茶ばっかりして」
「すまん、ありがとう。助かったよ」

笑っているような泣いているような。
入り混じった表情のエリに、リュードは苦笑する。
もう一つトリメイトを渡され、リュードはそれを何とか飲み干した。
ナノマシンが、傷を修復していくのが分かる。

『…見事』

感嘆の言葉が、彼らを包む。

『信に足るその力、見届けさせてもらった。…コのレラも大儀であった。ゆるゆると休むがよい』
『ありがたき…お言葉』

震えるその身を、ゆっくりと起こす飛龍。
今までの闘気は消え失せ、そこにあったのは。

『…そなた達にも感謝を。久々に、心震える戦いであった。無礼を詫びたい』
「いや、俺も『楽しかった』よ」
『また、相見えたいものだ…』

僅かに頭を下げ、満足気に「笑った」ように、見えた。
ふわりと舞い上がり、再び空の彼方へと姿を消す。
それを見届け、リュードは自嘲するように笑った。

「…参ったね、まだ動けるのか。こっちは二人がかりで必死だったってのに」
「龍族だもの。私達なんて足下にも及ばないわ」
『その矮躯で我らと渡り合う、貴方達の存在こそが脅威であると…私は思う』

きっとそれは「本心」だったのだろう。
リュードはようやく剣を収め、ロ・カミツの居るであろう「空」へと向き直る。

「龍族が好戦的なのは、ある意味警戒心の裏返しなのだろうな」

ぽつりと、彼はそう呟いた。
己が、そうであるように。



『さて、本題に入ろう』

光が、一つに集まる。

『貴方が此処を訪れた理由は、これであろう?』

瞬間。
あの「音」が、脳を突き抜けた。
一瞬顔を歪めるリュードに、エリは思わず視線を投げる。

「大丈夫?」
「…あの音だ。ってことは…」

大きな、透き通った水色の「結晶」。
二人の前に、浮かび上がる。

『…何時かしら…それは、そこにあった。眠るように、ただ静かに…』

ゆっくりと「それ」は回りながら、彼らの前に舞い降りてくる。

『だが最近になり「それ」は目覚めた。何故かは解らない。ただ、何かを求めているようだった…そこに現れたのが…貴方だ』
「求める?俺を…?」
『盟約には盟約、恩義には恩義。…故に、私は貴方へこれを託したい…受け取って欲しい』

何故、自分なのだろう。
数多のアークス、数多の人間、数多の命があるこの世界で、何故自分を?
答えは見えない。
ただこの「音」は間違いなく、自分に問いかける。
何を問いかけているかは解らない。
だが、自分に求めている。

己を、その手に、と。

声に従い、リュードはその「結晶」へと手を伸ばす。
姿を変えて、彼の手に残ったそれは。
一抱え程の大きさの、複雑な形が絡みあって形作られている球体。
重さは感じない。
素材は、今までの「パーツ」と変わらず、青白い淡い光を発している。
それを確認したように、ロ・カミツの声が安堵に満ちた。

『コのリウより、声が届いた』
「…無事なの?」
『無論だ。許諾無き侵入者も撤退したようだ。安心して帰還するといい』
「良かった…心配していたの」

胸に手を当て、エリはほっと息をつく。
その様子に、カミツはふふ、と笑みを零した。

『…さようなら、リュード…エリアルド。…いずれ、会える事を…願っている…』

声が、次第に遠ざかる。
空に満ちた輝きが収まり。
再び、静寂が訪れた。

無言のまま、リュードはその「部品」を見つめる。
ようやく、手に入った。
後はこれをジグに届けて「武器」として修復させるだけ。

「…帰りましょう」
「そうだな」

刹那。

リュードは振り返った。
あまりにその行動が突然だったので、エリは驚きを隠せない。

「…?どうしたの?」
「いや…」

リュードはじっと、その方向を見据える。
視線を、感じた。
「仮面」かとも思ったが、違う。
しかし。
その視線は、確実に「自分」を見ている。
間違いなく「誰か」がそこに居る。

「…行こう」
「???」

エリを伴い、テレパイプを開け。
リュードは一瞬「含み笑い」を浮かべてから、ゲートをくぐった。

二人が姿を消した後。
その場に、小さな人影が落ちた。
それは暫く、彼らの消えた方向を見てから。

再び、姿を消した。



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